イチゴは近代化学株式会社の本社工場がある神奈川県海老名市の特産品です。
イチゴはポリフェノールやビタミンを豊富に含むことから、抗酸化作用や抗炎症作用、抗ガン作用など、様々な美容・健康効果を示すことが報告されています。近代近代化学では、このように様々な機能性を示すイチゴに着目をして、美容に関する機能性研究~原料化の検討~製品への応用など、様々な角度から研究開発を行っております。近年は、早稲田大学と神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)との産学公連携研究 1) において、イチゴの美容・健康効果に関する研究を行いました。研究の結果、イチゴのエキスがヒト毛乳頭細胞(ヘアサイクルを駆動する細胞)の代謝機能を向上する効果を示すこと(図1)が明らかになったことから、育毛補助効果を示す可能性があることを明らかにしました。また、イチゴのエキスが細胞の健康維持システムであるオートファジーの活性を高める効果を示すこと(図2)が明らかになったことから、アンチエイジング効果を示す可能性があることを明らかにしました。オートファジーは2016年に東京工業大学の大隅良典先生がノーベル生理学・医学賞を受賞された細胞の健康維持に必須のシステムであり、老化の予防との関係性も明らかになりつつあります。近代化学では、これら研究成果を学術論文としてまとめ、日本食品科学工学会紙に報告しました 2)。
図1、イチゴ水抽出液がヒト毛乳頭細胞の代謝機能に与える影響
+はイチゴ水抽出液添加、―は比較対象として同濃度の水を添加
試験方法
ヒト毛乳頭細胞 → 試料添加 → 培養 → 代謝活性測定 (WST8法)
図2、イチゴ50%エタノール抽出液がHeLa細胞のオートファジー活性に与える影響
+はイチゴ50%エタノール抽出液添加、―は比較対象として同濃度の水を添加
試験方法:オートファジー活性を測定するプローブ(GFP-LC3-RFP-LC3ΔG)を遺伝子導入したHeLa細胞を使用。
遺伝子導入HeLa細胞 → 試料添加 → 培養 → フローサイトメトリー
1) https://www.kistec.jp/sup_comm/jigyoka-sokushin_kekka_continue/#R3-3
2)Miyauchi, Y., Xie, L., Hirokawa, T., Murakami, S., Ma, S., Yano, S., and Hara, T. Strawberry water-extract increases cellular dehydrogenase activity in human follicle dermal papilla cells. Food Science and Technology Research., Advance online publication: July 29. doi: 10.3136/fstr.FSTR-D-24-00060